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Sonata for Alto Saxophone and Piano アルトサクソフォンとピアノのためのソナタ David Maslanka デイヴィッド・マスランカ Yu Yoshida(Alto Saxophone) 吉田優(アルトサクソフォン) Ai Harada(Piano) 原田愛(ピアノ) 吉田優サクソフォンリサイタル2025 2025. 11.13 ルーテル市ヶ谷ホール での演奏です (以下当日のプログラムノートより) 本日最後にお聴きいただく”アルトサクソフォンとピアノのためのソナタ”は30分を超える大作。 作曲者のデイビッド・マスランカはアメリカマサチューセッツ州生まれの作曲家で、特に吹奏楽の分野で広く名が知られている。 ミシガン州立大学、ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽院で学んだのち、いくつかの音楽院で教官を務めるもキャリアの中頃に教職を辞し、74歳でその生涯を終えるまでの間フリーの作曲家としてモンタナ州で過ごした。 不協和音が多用された初期、明確に調性を持ち、シンプルなハーモニーも多用される中期、より瞑想的で簡素なテクスチャが多く見られる後期と、その生涯で作風が変化していったマスランカ。 お聴きいただく”アルトサクソフォンとピアノのためのソナタ”には初期の印象を残しながらも、中期の特徴がよく表れている。 作品は1988年、北米サクソフォン協会の委嘱により書かれた。マスランカのサクソフォンのための作品としては2作目に当たる。 完全に余談であるがこの1988年、私(吉田)の産まれた年でもある。不思議な縁を感じます。 抒情的、内省的でありながら不協和音と文字通り息もつかせぬパッセージがエネルギーの奔流を産む第1楽章、 作曲者自身が「16世紀イタリア歌曲の様式に根ざした広大な独白」と述べている情感豊かな第2楽章、ロンド形式で書かれ、時に激しく、哀しみを帯び、時に遊び心を感じさせたかと思うと荒れ狂い、仄かに希望を感じさせて曲を閉じる第3楽章の3つの楽章からなるこの作品。 サクソフォンとピアノのための作品としては突出した演奏時間を持ち、いずれの楽章も高い集中力を要することは勿論、楽器と奏者の限界に迫る、あるいは超えるような表現力が要求され、さながら冬の雪山を己の足で登っていくようである。 録音、録画、編集 彦坂僚太