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淨土莊嚴の原理

本ブリーフィング資料は、曾我量深による講演「淨土荘厳の原理」の核心的な論点を整理・分析するものである。講演は、真宗学における「淨土荘厳」の根本原理を、天親菩薩の『浄土論』を基軸に解明することを目的とする。 主要な論点は以下の通りである。 1. 『大無量寿経』と『浄土論』の関係性: 『大無量寿経』が浄土の物語を叙事詩的に、平面的に記述するのに対し、天親の『浄土論』（無量寿経優婆提舍願生偈）は、その精神的・自覚的原理を明らかにする。特に、二十四行の偈文（願生偈）が論の主体であり、浄土の因源果海の全体原理を尽くしている。 2. 「願生」という問題の解決: 「浄土に生まれたいと願うこと（願生）」は、迷いを重ねる自力の迷信ではないか、という根本的な問いが存在する。『浄土論』における「二十九種荘厳」の記述は、この「願生」の願いの正当な内容と価値を明らかにすることで、この問題を解決するために説かれている。 3. 荘厳の具体的内容: 二十九種荘厳は、国土荘厳（十七種）、仏荘厳（八種）、菩薩荘厳（四種）から成り、これらは単なる物質的な豊かさではなく、如来の本願の内容そのものを象徴的に表現したものである。 4. 親鸞の発見と「本願成就」の確証: 親鸞は『大無量寿経』下巻の十八願成就文にある「至心廻向」の四文字を、衆生がすべき行為としてではなく、如来が「至心に廻向したまへり」と既に完了された行為として読み解いた。これが、本願が我々衆生の上で成就した動かぬ証拠（廻向成就）であると発見した。 5. 「欲生」の本質: 第十八願の「欲生我国（我が国に生まれんと欲え）」の「欲生」は、宗教的自覚の根源を示す。親鸞によれば、これは「如来が諸有の衆生を招喚したまふ教勅」であり、衆生が如来に呼ばれることを感得する瞬間、すなわち信の一念（念仏もうさんとおもいたつこころ）そのものである。 6. 結論: 淨土荘厳の究極的な原理は、「願生」すなわち「欲生」という如来の本願の働きにある。それは、衆生を呼び覚まそうとする如来の願い（たすけんとおぼしめしたつ本願）と、それに信順する衆生の一念（たすけたまえと思ひ立つこころ）が本質的に一つであることを示している。法蔵菩薩とは、この純粋な「欲生心」が象徴化された存在である。