【うつ病】うつ病と落ち込みの違い3つ【精神科医が8.5分で説明】うつ｜抑うつ状態｜精神科 скачать в хорошем качестве

【うつ病】うつ病と落ち込みの違い3つ【精神科医が8.5分で説明】うつ｜抑うつ状態｜精神科

0:00 （１）はじめに 0:20 （２）うつ病と落ち込みは別のもの 2:56 （３）うつ病と落ち込みの違い3つ 3:04 ①（症状の）幅広さ 4:48 ②（期間の）長さ 6:02 ③（症状や影響の）強さ 7:48 （４）まとめ うつ病と、反応的な「落ち込み」は一見似たように見えることがあります。しかしうつ病は脳の不調であり、一般的な落ち込みとは症状等の幅広さ・長さ・強さともに異なり、生活全般に強く影響します。 「うつ病と落ち込みの違い3つ」について、精神科医が8.5分でまとめています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓詳しい内容はこちらです。 （１）はじめに うつ病と落ち込みは、一見似たようなものに見えます。実際、両者の症状には共通点も多く、周囲の人からは同じように見えることもあるでしょう。しかし、その背景や体験は大きく異なります。今回は、うつ病と落ち込みの実際の違いについて、3つの重要なポイントから解説していきます。 （２）うつ病と落ち込みは別のもの うつ病は、脳内物質セロトニンの不足を主な背景とする脳の不調です。単なる気分の落ち込みだけでなく、様々な症状を伴う精神疾患の一つです。一方、落ち込みは、ストレスや疲労などを背景に気分が沈む状態を指します。精神疾患がなくても、誰にでも起こりうる反応的な状態といえます。 両者は表面的には似ているものの、その本質は大きく異なります。うつ病は脳の不調という医学的な問題であり、原則として抗うつ薬などによる治療が必要です。対して、落ち込みは多くの場合、治療を必要としない一時的な状態です。 この「似て非なる」関係は、良い面と悪い面の両方を持っています。良い面としては、周囲からの理解を得やすく、職場などでも一定の配慮を受けやすいという点があります。しかし悪い面として、うつ病の深刻さが過小評価されたり、「気持ちの問題」として片付けられてしまったりする危険性があります。 （３）うつ病と落ち込みの違い3つ ①（症状の）幅広さ うつ病の特徴の一つは、症状の多様性です。落ち込み以外にも、様々な症状が現れます。 特に注目すべき症状として、「意欲や興味の減退」があります。何事にもやる気が起きず、これまで楽しんでいた活動にも興味を持てなくなります。また、思考力や判断力の低下といった認知機能の問題も現れ、仕事や日常生活に大きな支障をきたします。 身体面では、慢性的な倦怠感や疲労感、自律神経の乱れによる様々な不調が現れます。吐き気やめまいといった症状も珍しくありません。これらの身体症状は、一見うつ病とは結びつきにくく、周囲から理解されにくい面があります。 ②（期間の）長さ うつ病と落ち込みを区別する重要な特徴として、症状の持続期間があります。うつ病の場合、症状は2週間以上続き、自然には改善しにくい傾向にあります。むしろ、時間の経過とともに症状が悪化することも少なくありません。 特筆すべきは、ストレス要因が解消されても症状が継続するという点です。休日になってストレスから解放されても不調は続き、何もできない状態で一日を過ごすことになります。また、当初の原因となったストレスが解決しても、別の心配事が生まれて症状が持続するという特徴もあります。 症状が長期化することで、次第に日常生活への支障を隠しきれなくなります。また、周囲の理解や協力も徐々に得られにくくなり、それが自己嫌悪を強め、さらなる症状の悪化につながるという悪循環に陥りやすくなります。 ③（症状や影響の）強さ うつ病における症状の強さは、通常の落ち込みとは比較にならないほど深刻です。症状が幅広く、長期間続くことと相まって、社会生活全般に大きな影響を及ぼします。 仕事面では、脳機能の低下や意欲の減退により、業務遂行が困難になります。特に朝方の体調不良が顕著で、欠勤や遅刻が増加し、安定した勤務が難しくなります。長期化することで、職場の同僚による支援にも限界が生じてきます。 日常生活においても、掃除、食事、入浴といった基本的な活動すら困難になることがあります。外出を避けるようになり、社会的に孤立し、必要な手続きもできずにトラブルに発展することもあります。 さらに、健康管理も大きな課題となります。セルフネグレクト状態に陥りやすく、体調を崩しても受診できないなど、健康面での二次的な問題も生じやすくなります。 （４）まとめ うつ病と落ち込みは、表面的には似ているものの、本質的に異なる状態です。うつ病は脳の不調という医学的問題であり、症状の幅広さ、期間の長さ、影響の強さという点で、通常の落ち込みとは大きく異なります。 うつ病は自然には改善せず、むしろ悪化する傾向にあるため、早期の専門的介入が重要です。症状に心当たりがある場合は、ためらわずに医療機関を受診することをお勧めします。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #うつ病 　#落ち込み #精神科 #抑うつ状態 　#精神科医　 【監修者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。