【精神科】精神疾患との付き合い方5つ【精神科医が14.5分で説明】うつ病｜統合失調症｜発達障害 скачать в хорошем качестве

【精神科】精神疾患との付き合い方5つ【精神科医が14.5分で説明】うつ病｜統合失調症｜発達障害

0:00 （１）はじめに 0:20 （２）精神疾患とその特徴 3:25 （３）精神疾患との付き合い方5つ 3:32 ①受け入れる 4:59 ②治療する 6:57 ③リハビリする 9:00 ④共存する 11:30 ⑤人生に活かす 13:36 （４）まとめ うつ病や統合失調症などの精神疾患は、種類ごとに治療法などは違うものの、治療に長期を要し影響も大きいことは共通しています。その中でいかに精神疾患を受け入れ、治療やリハビリを行いつつも共存し、今後の人生に活かすかが大事になります。 「精神疾患との付き合い方5つ」について、精神科医が14.5分でまとめています。 出演：春日雄一郎（精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長） こころ診療所吉祥寺駅前　https://kokoro-kichijoji.com 府中こころ診療所　https://fuchu-kokoro.com 府中カウンセリングルーム（提携カウンセリングルーム）https://fuchu-counseling.com チャンネル登録お願いします　   / こころ診療所チャンネル   ↓詳しい内容はこちらです。 （１）はじめに うつ病以外にも様々な精神疾患があります。多くの精神疾患は治療に時間がかかり、長期的な付き合い方が求められます。精神疾患と診断されると、どのように向き合い、生活していけばよいのでしょうか。本記事では「精神疾患との付き合い方5つ」をご紹介します。 （２）精神疾患とその特徴 精神疾患とは 精神疾患とは、精神面の不調をきたす疾患の総称です。ある時期に発症するもの、環境の影響によるもの、生来からの障害など、様々な背景があります。詳細な治療法は疾患ごとに異なりますが、治療に時間がかかるという点は共通しています。 知名度が高い精神疾患 **うつ病**：落ち込みなどの様々な症状が表れる脳の不調です。 **統合失調症**：悪化すると幻聴などの症状が現れ、生活に大きな影響が出る精神疾患です。 **双極性障害**：うつ状態とその逆の躁状態を周期的に繰り返す精神疾患です。 実際に相談が多い精神疾患の例 **不安障害**：強い不安が様々な形で生活に影響する精神疾患です。パニック障害や強迫性障害など多様な種類があります。 **不眠症**：様々な理由で眠れない状態が続く精神疾患です。他の精神疾患の引き金になることもあります。 **適応障害**：ストレスに強く反応して起こるうつ状態です。うつ病との区別が難しいこともあります。 生来の要素が強い精神疾患 **発達障害**：生まれながらの脳の機能の偏りです。不注意などが特徴のADHD、こだわりなどが目立つASDが代表的です。 **境界知能・知的障害**：生来の知的機能の困難です。目安としてIQ70～84が境界知能、IQ69以下が知的障害とされています。 **パーソナリティ障害**：感情や考え方の持続的な偏りであり、時に周囲を巻き込みやすい特徴があります。 身体面とも関連しやすい精神疾患 **摂食障害**：過食と拒食を繰り返すなど、食事に関する障害です。身体面にも強い影響を及ぼします。 **アルコール依存症**：アルコールがないと様々な症状が出る状態で、生活や体調に大きな影響があります。 **認知症**：徐々に脳の機能が失われる疾患で、周辺症状として精神的な不調が現れることがあります。 精神疾患の共通点 **治療に時間がかかる**：数か月から数年の治療期間を要することが多く、再発予防のための治療継続が必要な場合もあります。 **改善後も影響が残る**：再発リスクが続いたり、認知機能の低下などの影響が残ることがあります。 **人生に影響する**：人間関係や人生設計の変更を余儀なくされることがあります。 （３）精神疾患との付き合い方5つ 精神疾患とどのように付き合っていけばよいのでしょうか。いかに受け入れつつ、前を向いていくかがポイントです。 ①受け入れる 精神疾患はその影響や強さから、受け入れるまでに葛藤が生じることが多いものです。しかし、治療によって改善する部分は多くあり、治療を始めるには一定の受け入れが大前提となります。葛藤があっても、部分的にでも受け入れていくことが治療の第一歩です。 *精神疾患を受け入れる際の課題* 長期の治療が必要になる 人生設計にも影響が出る 偏見を受けることへの不安 *一方、受け入れるとできること* 適切な治療で症状を改善できる リハビリを継続することで回復を目指せる 新たな生き方を見出せる ②治療する 多くの精神疾患は治療によって悪化を防ぎ、改善を見込めます。どこまでの治療で改善するかは、精神疾患の種類や個人の特性によって異なります。大きな改善が見込める一方で、認知機能障害や再発リスクが残ることもあります。 *主な治療法* 薬物療法：統合失調症での抗精神病薬など、脳の不調による場合の第一選択肢です。 環境調整：環境を変えて改善を図ったり、休養に専念して悪化を防いだりします。 精神療法：考え方や対人関係の調整など、ストレス対処法や再発予防を図ります。 *治療による主な効果* 症状や病状の改善 再発リスクの軽減 社会適応の改善 *治療の限界* 薬を中止することが難しい場合がある 再発リスクが残る 一部の困難が残る場合もある ③リハビリする 薬物療法や環境調整だけでは生活面での困難が残る場合もあります。そうした状況では、状態に合ったリハビリを地道に続けることで、さらなる改善を図ることができます。効果が出るまでに時間はかかりますが、継続的な取り組みにより自己肯定感も高まります。 *主なリハビリの例* 行動活性化：徐々に活動量を増やしていく方法です。デイケアなどの枠組みを利用することもあります。 スキルトレーニング：生活技術や感情コントロールの技術を反復練習して身につけます。 認知行動療法：考え方や対人関係のパターンを見直し、より適応的な方法に修正します。 *リハビリで期待できる効果* 復帰準備性の向上：活動量やストレス耐性が増し、社会復帰後も再発しにくくなります。 社会適応力の改善：感情制御や対人スキルを習得し、社会での不適応を減らします。 自己肯定感の向上：自分の取り組みで改善できたという成功体験から、自己肯定感が高まります。 *リハビリの限界* あくまで補助的な効果であり、薬物療法などの効果を代替するものではありません。 時間と労力がかかります。 発達障害など、もともとの特性が完全になくなるわけではありません。 ④共存する 治療やリハビリによって多くの精神疾患は改善しますが、症状が完全になくなるわけではなく、再発リスクも残ります。そのため、精神疾患に対しては「倒す」というより「共存する」という姿勢が求められます。 *治療やリハビリ後も残る課題* 再発リスク：ストレスなどで再発する可能性は残ります。 無理がきかない：疲れやすさや過敏性が残り、過度な負担で再発することがあります。 一部残る症状：発達特性や陰性症状など、取り組んでも残る症状があります。 *精神疾患と共存するとは* リスクと限界を理解し、できる活動を見極める 再発予防の対策を続けながらも、生きがいを見つける 環境を再構築し、疾患を抱えながらも最適な環境を模索する *共存する中での葛藤* 精神疾患が続くことへの葛藤 人生の見直しが必要なことへの葛藤 偏見が消えないことへの葛藤 *それでも共存するために* 自分の軸を明確にする 精神疾患や現実の限界を深く受け入れる 自分に合った環境を見つけ、軸に沿った活動を続ける ⑤人生に活かす 表面的には精神疾患になったことで失うものが多く、影響も大きいと感じられます。しかし、その面にばかり目を向けると自己否定的になり、悪循環に陥りやすくなります。半ば強引にでも、精神疾患になった経験のプラスの面を見出し、人生に活かしていくことが大切です。 *精神疾患の経験でプラスになりうる要素* 疾患を通して得た経験と視点を活かす 人生を見直し、周囲の目に囚われず自分の人生を生きる 逆境を乗り越えた経験を自己信頼につなげる *自分の疾患経験の活かし方* 自分の人生を見つめ直し、本来やりたいことを見つける 自分の強みと限界を理解した上で、合う環境を選ぶ 今の自分に合った活動を日々続ける *周囲への疾患経験の活かし方* 実体験を活かした助言ができる 他者へのいたわりがより深みを持つ 経験談を通じて同じ疾患を持つ人を勇気づける（ただし発信は自主的な判断で） （４）まとめ 精神疾患は様々な種類がありますが、性質や付き合い方に共通点も多くあります。精神疾患との主な付き合い方として紹介した5つは以下の通りです。 1. 受け入れる 2. 治療する 3. リハビリする 4. 共存する 5. 人生に活かす 一見マイナス面が多く見える精神疾患の経験に、いかにプラスの面を見出し、今後の人生に活かしていくかが、前向きな付き合い方の鍵となります。 こころ診療所グループ（医療法人社団Heart　Station） 府中こころ診療所（東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887) こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル６階、☎0422-26-5695) #精神疾患 　#付き合い方 #うつ病 　#統合失調症 　#精神科医　 【監修者】 医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎 精神科医（精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医） 2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。